コードを書くには,エディタと呼ばれる種類のソフトウェアを使う.ここではEmacsと呼ばれるエディタを使ってみる.好みのエディタがあるなら,それを使ってもよい.
$ emacs -nw
正しく起動すれば,ターミナルウインドウの見た目が変わる.
オプションの -nw はつけなくてもよいが,つけた方が起動は速い.
Ctrl + x, Ctrl + c
これは,「Ctrl」キーを押しながら「x」のキーを押す,続いて,「Ctrl」キーを押しながら「c」のキーを押す,である.
正しく終了できれば,もとのターミナルウインドウに戻る.
カレントディレクトリに tako.txt という名前のファイルを作成する場合は
$ emacs -nw tako.txt
既に tako.txt というファイルが存在している場合は,tako.txt が開かれる. tako.txt が存在していない場合は,何も書いてないファイルが開かれる.
キーボードを叩いたら,叩いたキーがウインドウに表示される. 「Enter」キーを叩くと改行. とりあえず,なんか文書を作成してみる. 例えば,
This is a pen. This is an apple.
作成した文書を保存するときは,
Ctrl + x, Ctrl + s
保存前に同名のファイルが存在しているときは,ファイルを上書きして保存する(古いファイルは消える).
終了
Ctrl + x, Ctrl + c
確認.まずファイルが作られたかどうかの確認.
$ ls
ファイルがあることを確認したら,cat などのコマンドで中身を見る
$ cat tako.txt
正しく作成されていれば,
This is a pen. This is an apple.
morning.txt というファイルを作成する
$ emacs -nw morning.txt
以下を書き込む.
Nakazawa Ishiguro Iida Abe Fukuda
保存は Ctrl + x, Ctrl + s
終了は Ctrl + x, Ctrl + c
結果の確認
$ ls $ cat morning.txt
ファイルを修正する
$ emacs -nw morning.txt
3行追加
Yasuda Yaguchi Ichii
保存は Ctrl + x, Ctrl + s
終了は Ctrl + x, Ctrl + c
結果の確認
$ ls $ cat morning.txt
ファイルを修正する
$ emacs -nw morning.txt
1行削除
Fukuda
保存は Ctrl + x, Ctrl + s
終了は Ctrl + x, Ctrl + c
結果の確認
$ ls $ cat morning.txt
以下のようになっているはず
Nakazawa Ishiguro Iida Abe Yasuda Yaguchi Ichii
ところで,ls でファイルの一覧を表示したら,作成したファイル morning.txt の後ろに ~ が付いた
morning.txt~
というファイルが生成していたかもしれない(~は「ティルダ」と読む). これは emacs が自動で作成するファイルである. emacs でファイルを変更して保存すれば,最後に保存したものが morning.txt に記録される. このとき,ひとつ前に保存したものが,morning.txt~ に保存される. 間違った変更をしてしまったときや,ファイルを間違って削除してしまったときは,~ のファイルがあって助かるということもあるかもしれない(まあ,役に立ったという記憶はあんまりなかったりするけど).
うっかり変なキーを叩くと,何が起こったかわからない状態になることがある.そういうときは,
Ctrl + g
これを何度か繰り返すと,元に戻る(ことが多い).Ctrl + g はだいたい無害なので,困ったら Ctrl + g と思ってよい.
他にも検索とか置換とか便利な機能はある. 必要に応じて調べてみるとよい.
Emacsの設定を変更するときは,ホームディレクトリの下にあるディレクトリ .emacs.d の下に,init.el の名前のファイルを作成し,その中に設定を書き込む.
「.」で始まるファイルは,ふつうに ls としただけでは表示されない. 「.」で始まるファイルを表示するとには,オプション -a を追加する
$ ls -a
Emacsは「モード」というものを設定することができ,モードを設定すると,モードで定義された特別な振る舞いをする. 適切なモードを設定することで,ファイルの編集がやりやすくなる. 特別なことをしていなければ,編集するファイルの拡張子などに基づいて,自動的にモードが設定されるようになっていて,快適にファイルの編集ができるようになっている.
しかし,場合によってはモードが設定されることで,Emacsが意にそぐわない振る舞いをすることがある. そういうときは,モードを変更したらよい. あんまり余計なことをして欲しくないというときは,
M-x text-mode
とか
M-x fundamental-mode
を選ぶ. 「M-x」は,「Esc」キー,「x」キー,の順番にキーを叩く,である.
毎回 M-x fundamental-mode とかするのが面倒という人は,
$ cat /home/george/.emacs.d/init.el >> ~/.emacs.d/init.el
とする.
通常はファイル名が .sh で終わるファイルを編集するときモードは自動的に shell-script-mode に設定されるが,上のコマンドを実行した後は自動的に fundamental-mode に設定されるようになる.