大気科学演習１

注意事項

• 計算機への入力は正しくおこなう
  • ミスタイプをすれば必ず失敗する．
    • うまくいかないときは，まずミスタイプを疑ってください．
    • 小文字のエル(l)，大文字のアイ(I)，数字の一(1)，よく間違えます．
    • 大文字のオー(O)と数字のゼロ(0)も，間違えることがあります．
  • 計算機は融通が利きません．あなたが入力した通りに応答します．
  • 空白には意味があります．勝手に足したり引いたりしてはいけません．
• 作業したら確認する
  • 簡単に確認できるなら，すぐ確認する．
• メッセージを読みましょう
  • 計算機がメッセージを表示したときは，メッセージを読む努力をしてください．
  • 入力された作業を実行することができなかった場合には，だいたいメッセージが表示されます．
  • メッセージには，作業を実行することができなかった理由，動作させるためのヒント，などが示されることがあります．
  • 何が書いてあるかわからないときは，TAを呼んで教えを請うのがよいです．資源(TAなどの人的資源を含む)を正しく活用してください．

実習

以下は jupiter にリモートログインしてからおこなう

補完機能

ファイル名は最初の数文字を入力した後，「tab」キーを押すと補完してくれることがある． 大変便利な機能なので，使えるなら使うのがよい．

「tab」キーを使うと全部入力しなくても済むので楽ができる． それはそれで「tab」キーを使う理由として十分かもしれないが，「tab」キーを使って補完するとタイプミスしないことがもっと重要なことである(と思う)．

例えば

$ cd /home/atmos

c d space / h o m e / a t m o s と全てをキーボードから入力してもよいが，c d space / h まで入力して

$ cd /h

ここで「tab」キーを押せば

$ cd /home/

のように，ome/ が入力される．続けて a を入力して

$ cd /home/a

ここで「tab」キーを押せば

$ cd /home/atmos/

となる．これくらいだと，たいして楽ができたように感じないかもしれないが，長いファイル名を入力するときには，補完機能のありがたみが実感される．

ちなみに，

$ cd /usr/local

としたいときに

$ cd /usr/l

で「tab」キーを押しても補完されない． いちど，全部消して

$ ls /u

ここで「tab」キーを押すと

$ ls /usr/

と補完される． 補完機能は cd だけでなく，他のコマンドでも使うことができる． ここで「Enter」を押して /usr/ にあるファイルを見てみると，l から始まるファイルが複数存在していることがわかる．候補がひとつに絞られないとき，補完機能は働かない．この例の場合だと，

$ cd /usr/lo

まで入力してから「tab」キーを押せば補完してくれる．

履歴機能

シェルで過去に実行したコマンドは，履歴機能を使って呼び出すことができる． 上矢印のキーを押すと，ひとつ前に実行したコマンドが表示される． もう１回，上矢印のキーを押せば，さらにもうひとつ前に実行したコマンドが表示される． 以下同様，上矢印のキーを繰り返し押すことで過去に実行したコマンドを呼び出すことができる．

過去に実行したコマンドが表示された状態で「Enter」キーを押せば，その表示されているコマンドを実行することができる．

上矢印キーで呼び出したコマンドは，左右の矢印キーや「delete」キーなどを使って，修正することができる． 過去に実行したコマンドと似て非なるコマンドを実行するときは，新たに全部を入力する必要がないので，楽ができる．

練習

補完機能を使って以下のコマンドを入力する．

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643.jpg

まず，

$ display /m

まで入力して，ここで「tab」キーを押してみると，残念ながら補完してくれない． 「tab」キーをトントンという感じで２回押すと

media/ mnt/

と表示される．これは，media と mnt の２つ候補があって決められない，ということである．「n」を入力して，「tab」キーを押すと

$ display /mnt/

となる．続いて「r」を入力して

$ display /mnt/r

ここで「tab」キーを押せば

$ display /mnt/raid/

/mnt 以下にあるファイルで r から始まるものは raid ただひとつだけだったので，ここはすぐに補完してもらえた． 続いて「s」を入力して

$ display /mnt/raid/s

「tab」キーを押せば

$ display /mnt/raid/skymonitor/

ここはだいぶ楽ができる．「p」を入力して

$ display /mnt/raid/skymonitor/p

「tab」キーを押す

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/

「2」を入力して

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2

「tab」キーを押すと

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/20

「tab」キーをトントンという感じで２回押すと

2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/ 2021/

ここは「2」と「0」を入力して，

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020

「tab」キーを押すと

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/

ここは「/」を自分で入力してもよかったかもしれない． 続けて「06/」と入力して，

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/

ここで新しい文字を入力せずに，「tab」キーを押すと

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/202006

「21/2」を入力して

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/2

「tab」キーを押す

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/20200621

「0643」を入力して

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643

「tab」キーを押す

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643.jpg

最後は「Enter」キーを押して実行．

display は画像を表示するコマンドである． 正しく実行されれば，2020年6月21日6時43分に岡山大学天文台で撮影した空の写真が表示される(勘のいい人は，ディレクトリやファイルの名前に年月日と時刻が埋め込まれていることに気づいたと思う)． 画像が表示されるまで少し(かなり)時間がかかるかもしれない(我慢強く待っているとそのうち表示されるはず)． 画像を表示している窓の右上にある×印をクリックするまで，画像は表示され続ける． 画像を表示している間，プロンプトは戻ってこない(すなわち，新しいコマンドを入力することはできない)． ×印をクリックして画像の表示を終わりにしたら，プロンプトが戻ってくる．

今度は同じコマンドを，最後に「&」を付けて実行してみる． 同じコマンドをもう１回実行するときは，履歴機能を使うのがよい． 「上矢印」を１回押したら

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643.jpg

末尾に「スペース」と「&」を追加して実行する

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643.jpg &

今度はプロンプトがすぐに戻ってきて，すぐ入力可能な状態になる(画像が表示されるまでには少し(かなり)時間がかかるかもしれない)．

とりあえず，画像の表示はそのままにして(×印をクリックせず)，続いて2018年6月21日19時7分の空の写真を表示する． 履歴機能を使うなら，「上矢印」を押して

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2020/06/20200621/202006210643.jpg &

を表示したあと，共通しない部分を「delete」キーで消して

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/20

ここから入力(もちろん補完機能を活用する)

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2018/06/20180621/201806211907.jpg &

これを実行する． 少し(かなり)待つと，2018年6月21日19時7分の空の写真が表示される．

この画像も表示したままにして，2017年6月21日13時24分の空の写真も表示する．

$ display /mnt/raid/skymonitor/pub/2017/06/20170621/201706211324.jpg &

ちなみに，上の３つは夏至の瞬間の時刻に対応している． 地球の公転周期が１日の整数倍ではないため，年によって夏至の時刻(日付)は変わる． 2019年の夏至は日本時間の6月22日0時54分だったのだが，残念ながら欠測．