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ファイル名は最初の数文字を入力した後,「tab」キーを押すと補完してくれることがある. 大変便利な機能なので,使えるなら使うのがよい.
「tab」キーを使うと全部入力しなくても済むので楽ができる. それはそれで「tab」キーを使う理由として十分かもしれないが,「tab」キーを使って補完するとタイプミスしないことがもっと重要なことである(と思う).
例えば
$ cd /home/atmos
c d space / h o m e / a t m o s と全てをキーボードから入力してもよいが,c d space / h まで入力して
$ cd /h
ここで「tab」キーを押せば
$ cd /home/
のように,ome/ が入力される.続けて a を入力して
$ cd /home/a
ここで「tab」キーを押せば
$ cd /home/atmos/
となる.これくらいだと,たいして楽ができたように感じないかもしれないが,長いファイル名を入力するときには,補完機能のありがたみが実感される.
ちなみに,
$ cd /usr/local
としたいときに
$ cd /usr/l
で「tab」キーを押しても補完されない.いちど入力した cd /usr/l を消して,
$ ls /usr
としてみれば,/usr には l から始まるファイルが複数存在していることがわかる.候補がひとつに絞られないとき,補完機能は働かない.この例の場合だと,
$ cd /usr/lo
まで入力してから「tab」キーを押せば補完してくれる.
シェルで過去に実行したコマンドは,履歴機能を使って呼び出すことができる. 上矢印のキーを押すと,ひとつ前に実行したコマンドが表示される. もう1回,上矢印のキーを押せば,さらにもうひとつ前に実行したコマンドが表示される. 以下同様,上矢印のキーを繰り返し押すことで過去に実行したコマンドを呼び出すことができる.
過去に実行したコマンドが表示された状態で「Enter」キーを押せば,その表示されているコマンドを実行することができる.
上矢印キーで呼び出したコマンドは,左右の矢印キーや「delete」キーなどを使って,修正することができる. 過去に実行したコマンドと似て非なるコマンドを実行するときは,新たに全部を入力する必要がないので,楽ができる.
例えば,
$ cd /home/sc5xx5yy
とした後に,/home/sc5xx5yz に移動したくなったら,上矢印で cd /home/sc5xx5yy を呼び出して末尾の y を z に修正すると
$ cd /home/sc5xx5yz
簡単に目的を達成することができる.
補完機能を使って以下のコマンドを入力する.
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/20200621/202006210643.jpg
まず,
$ display /w
まで入力して,ここで「tab」キーを押すと
$ display /work
と補完される. 残念ながら /work2 までは補完してくれない. 「tab」キーをトントンという感じで2回押すと
work1/ work2/ work3/ $ display /work
と表示される.すなわち,/work1 と /work2 と /work3 の3つ候補があって決められない,ということである.「2」を入力して,「tab」キーを押すと
$ display /work2/
となる.続いて「a」を入力して
$ display /work2/a
ここで「tab」キーを押せば
$ display /work2/atmos/
/work2 以下にあるファイルで a から始まるものは atmos ただひとつだけだったので,ここはすぐに補完してもらえた. 続いてまた「tab」キーを押すと
$ display /work2/atmos/data/
/work2/atmos にはファイルがひとつ(data)しかないので,何も入力しなくても補完される. 次は「s」を入力して,「tab」キーを押すと
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/
だいぶ楽ができる. 続けて「tab」キーを押すと
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/20
さらに続けて「tab」キーを押せば
2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/ $ display /work2/atmos/data/skymonitor/20
候補は5つあるとわかる.「20/06/」を入力して
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/
「tab」キーを押す
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/202006
「21/2」を入力して
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/20200621/2
「tab」キーを押す
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/20200621/20200621
「0643」を入力して
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/20200621/202006210643
「tab」キーを押す
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2020/06/20200621/202006210643.jpg
最後は「Enter」キーを押して実行.
これは2020年6月21日6時43分に岡山大学天文台で撮影した空の写真である. そう言われてからディレクトリやファイル名を見れば,なんとなく年月日や時刻がディレクトリやファイルの名前に埋め込まれているのがわかると思う.
同様にして,2018年6月21日19時7分と,2017年6月21日13時24分の空の写真も表示してみる. 2018年は
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2018/06/20180621/201806211907.jpg
入力は補完機能を使って楽をすること.
続いて2017年は履歴機能を使って,まず上矢印で
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2018/06/20180621/201806211907.jpg
を表示した後,共通しない部分を「delete」キーで消して
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/201
ここから入力を始めて以下の形にすると楽ができる.
$ display /work2/atmos/data/skymonitor/2017/06/20170621/201706211324.jpg
ちなみに,上の3つは夏至の瞬間の時刻に対応している. 2019年の夏至は日本時間の6月22日0時54分で,残念ながら欠測. 地球の公転周期が1日の整数倍ではないため,年によって夏至の時刻(日付)は変わる.