岡山は「晴れの国」と言っていて,天気がよいことを自慢しています. 1960年に開所した岡山天体物理観測所は,当時日本一の望遠鏡をどこに設置するかということでいろいろ調査して,晴天率が高いということが決め手のひとつになって岡山に設置されたということです. 岡山の晴天率が高いことは国立天文台のお墨付きと言ってよいでしょう. 自分の経験で言っても(全く科学的でないですが),住んでいたことのある千葉や東京に比べて岡山は圧倒的によく晴れます.
「晴れの国おかやま」というブランドは確立していると思いますが,最近,明石が天気の良い(日照時間が長い)ことを自慢しているという話を耳にしました. まあ別に,岡山以外が晴れる自慢をしてはいけないということはないので,明石が晴れる自慢をすることに何の問題もないのですが,なんか気になります. また,県庁所在地で晴天率がいちばん高いのは甲府だ,と誰かが言っていたような朧げな記憶もあったりして,晴れの国は岡山だけではないかもしれないと思うと,ちょっと落ち着かない気持ちになります.
気になったのなら調べてみればよい,ということで,アメダスのデータを使って日照時間の旬ごとの平年値を図にしてみたところ,
岡山は明石にも甲府にも負けていました...orz
夏から秋にかけては明石の日照時間が長く,冬から春にかけては甲府の日照時間が長い. 岡山がトップに立つ季節はありません. 1年積分した日照時間の平年値(30年の平均)は,甲府:2225.8時間,明石:2160.3時間,岡山:2033.7時間. 日照時間で見る限り,岡山が日本一ということはないようです. ちょっと残念 (^_^;
ご近所の人から,平年値(1991〜2020年)を使って都道府県庁所在地(埼玉は熊谷,滋賀は彦根)をランキングしたときの岡山の位置を教えてもらいました.
日照時間はトップ10にすら入っておらず,中位に沈んでいました... これは「晴れの国」というより「雨の日が少ない国」です.
XX庁のなかの人からコメントをもらいました (^_^)
雨の日が少ないというのは,洗濯物を外で干すことができる,お出かけの時は雨に降られにくい,ということですから,暮らしていくにはとてもよいことです. ほどほどの日照時間があるのなら,日照時間が長いことより雨の日が少ないことの方に,より価値があるように思われます. また,一般に降水量が少ない土地は水不足に悩まされるものですが,鳥取との県境の方で雨や雪がよく降るため,岡山は水不足になりにくいようです. 雨は降らないけど水不足の心配は無用,住民にとって岡山はパラダイスといってよいのではないでしょうか.