2022年1月15日13時10分頃(日本時間),トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイが噴火(外務省HP).
岡山大学に設置した気圧計でも,噴火でつくられた波による気圧の変動が観測されました.
岡山大学自然科学研究科棟屋上で測定した1分おきの気圧(赤色)と,アメダス(岡山)で観測された10分おきの気圧(青色).測器が設置されている高度の違いを考慮して,アメダスの気圧は-2.4(hPa)した値を描いています.
20:45頃におよそ+2(hPa)の気圧変化を記録,その後もしばらくは波によるものと思われる気圧の変動が見えます. ちなみに,2(hPa)は地上と地上6〜7階相当の高さの気圧差に相当するくらいの大きさで,ふつうの人が気圧の変化に気が付くことはほぼありません(ひどい鼻づまりだったりすると,2(hPa)の気圧気圧変化に気が付くことがあるかもしれません).
波の到達は噴火のおよそ7時間30分後,トンガから岡山までの距離は約8200km,したがって波の伝搬速度はだいたい時速1100km(秒速300m).これはジェット機なみの速度です.
波が岡山を通過したのは20:45頃ですが,カメラに写るような変化はなかったようです(もっと感度の高いカメラで撮影したら何か写ったかもしれませんが).
噴火によって大気がゆさぶられると,大気中に圧力の高いところ(と低いところ)ができます.水面にできた波が広がっていくのと同様に,大気中に生じた圧力のむらも波となって大気中を伝搬します.