小惑星 (3200) Phaethon による恒星食を観測するキャンペーンに参加しました.
Yoshida et al. (2022) Multi-chord observation of stellar occultation by the near-Earth asteroid (3200) Phaethon on 2021 October 3 (UTC) with very high accuracy. Publications of the Astronomical Society of Japan, 75, 153-168.
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各観測地点の緯度・経度を考慮して並べ替えをおこない,掩蔽が生じた時刻(開始と終了)を表示することで,小惑星 (3200) Phaethon の形が影絵のように浮かび上がりました.
今回のキャンペーン観測で得られた結果をまとめた図(Credit: Phaethon観測チーム2021).整約は早水氏による.
岡山大学の観測隊は,田島クレセントビーチで観測をおこない,観測点で食が起こらなかったことを確認しました(上の図で「はしもと・藤原(貴)」の線).
食が観測された場合,食の継続時間に小惑星の移動速度をかけ算することで小惑星の大きさを得ることができます.
食が観測されなかった場合には,小惑星が観測点の上空を通過しなかったということがわかり,小惑星の大きさの上限を与えることができます.
駐車場(写真1:ちょうど車が止まっているあたり)に望遠鏡を設置して観測をおこないました.
街灯がたくさんあるのですが,そのほとんどは点灯することがなく(夜は暗い方が雰囲気がよいということで,点灯しないようにしているとのこと),天文観測するにはよい場所でした.
夜は気温がぐっと下がり,あたり一面,露でベタベタになりました.鏡筒にカメラレンズヒーターを巻いたおかげで,望遠鏡は結露することなく観測することができました(写真4:青色のテープの下にヒーター,フードの先(上)の方は結露).