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岡山大学理学部望遠鏡

岡山の空 2023



5分おきに撮影した空の写真を1年分つなげて作った画像です. 1日に撮影した画像を横1列に左から右へと並べていて,左端は0時,真ん中が12時,右端が24時. 上から下には日付順に並べられていて,いちばん上が1月1日,いちばん下が12月31日. 真っ白は欠測.

昼間は青っぽい色,夜は黒っぽい色.雲が出ると白っぽい色になります.
夜間は月が出ても白っぽくなります(拡大してみると,月が映っているフレームを確認することができます).雲が重なっていて一部見えにくくなっていますが,縦に見ると約30日の周期で黒い空と灰色っぽい空を繰り返していること,横に見ると灰色っぽい空が右下がりに伸びていること,がわかります.どちらも月の公転によるもので,前者は月の満ち欠け,後者は月の出/月の入の時刻が変わっていくことに対応しています.
左半分と右半分に分けてみると,右半分の方が左半分よりも白っぽく見えることから,午前よりも午後に雲が多く出ていることがわかります.
縦に見ると,中央のあたりが白っぽく見えます.これは梅雨(6月上旬頃から7月中旬頃)の時期に雲が多く出ていることに対応しています.また,梅雨の白っぽい空のすぐ下(時間的には梅雨の直後)は,青っぽい空(天気のよい日)が続いて現れています.この梅雨明け後からしばらく続く天気のよい日は「梅雨明け十日」と言われています.
#2023年は7月上旬から中旬にかけて欠測したため,梅雨明け十日がはっきり見えません.2021年はよく見える.

昼と夜の境目がぐねぐねしているのは,日の出と日の入の時刻が季節によって変わることを示しています. 横に見て,青い領域がいちばん狭くなる日が冬至,いちばん広くなる日が夏至. 昼がもっとも短く(長く)なる日に,日の出がいちばん遅く(早く),日の入がいちばん早く(遅く),とはなっていません. これは,地球の自転軸が公転面に直交していないことと,地球の公転軌道が楕円であること,に依ります(国立天文台 よくある質問 1-4).
昼と夜の境目には,濃い青の領域が見えます.この日の出前と日の入後にあらわれる空が濃い青色に染まる時間帯はブルーアワー(blue hour)と呼ばれています.この画像の元になる画像を撮影したカメラは,明るいときはカラーで撮影するのですが,暗くなると感度を上げるため自動的に白黒撮影に切り替わります.そのため,ブルーアワーの濃い青色の空が撮影される時間が短くなっています.1年を通して日の出前の空が白っぽく写っているのは,ブルーアワーの空が白黒撮影された結果です.


岡山の空


名寄の空

北海道大学附属天文台のスカイモニターで撮影した画像から作った絵はこちら

名寄は岡山に比べると緯度が高いため,日の出と日の入の時刻の季節変化が大きくなっています. また,名寄の空を撮影しているカメラは夜間もカラー撮影をしているため(高性能なんだけど,その分お値段も高い),ブルーアワーがきれいに撮れています.


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Last Updated: 2024/01/14, Since: 2022/04/01.
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