[ 岡山大学 | 理学部 | 地球科学科 | 地球および惑星大気科学研究室 ]
- 自分のノートパソコンがある人は持ってくるとよいでしょう
- 大学の教育用PCでデータの解析をおこなう場合には必要です
系外惑星トランジットの観測データを解析してライトカーブを描く.
内容の説明(資料作成:戸田)
太陽以外の恒星の周りをまわる惑星.
天体が恒星の前を横切ること.
時間経過にともなう明るさの変化.
惑星が恒星の前を横切ると,恒星の光が遮られるため恒星の明るさが変化する(普通,恒星の温度に比べると惑星の温度は低いので,惑星が恒星の前を横切ると暗くなる).明るさの変化率は恒星の断面積に対する惑星の断面積の大きさになる.また,減光が起きる周期は惑星が恒星の周りを回る周期に対応する.
ライトカーブを観測すると,減光の大きさから惑星の大きさ(主星に対する相対的な大きさ)を求めることができ,また減光周期から惑星の公転周期がわかる(減光周期を精密に測定すると,その変動から未知の系外惑星の存在を知ることもできる).
系外惑星トランジットの観測データを解析してライトカーブを描く
地球科学科事務室
2012年8月8日(水)
- レポートはワープロソフトなどを使用して,できるだけ電子的に作成すること(手書きのレポートも受け取らないわけではないが,できるだけ電子的に作成して欲しい).
- レポートには,(1)どのような課題に取り組んだのか,(2)どのような方法を用いたのか,(3)どのような結果が得られたのか,(4)その結果からどのような考察および結果が得られるのか,(5)どのような参考文献を用いたのか,などについて記述すること.結果の図を貼り付けただけのものはレポートにならないことを理解すること.
- 書き方指南(林祥介)
- 観測日 2012年4月27日
- 観測地 井原市星空公園
- 装置 STL1001E
- 201204247Qatar1b.zip
- 中身の説明
- qatar1
- dark
- flat
- flatdark
- ダーク・フレーム(フラット・フィールド・フレーム用)
- work
- dark-c-median.fit オブジェクト・フレーム用の合成ダーク
- flatdark-median.fit フラット・フィールド・フレーム用の合成ダーク
- 撮像された画像のことをフレームと呼ぶ.目的の天体を写した画像はオブジェクト・フレームまたはライト・フレームと呼ばれる.ライト・フレームに記録されている光には,天体の光の他,ダーク・ノイズ(観測装置に光が全く入っていなくても発生するノイズ)とスカイ(空からやってくる光)という2つの成分がある.天体の明るさを測定するには,ダーク・ノイズとスカイの成分を取り除く必要がある.また,CCDの各素子が完全に同じでないことや,光学系に起因する光量ムラがあるために,同じ光が照射されていても画像にはムラが生じる.これは感度ムラと呼ばれ,天体の明るさを測定するときにはこの感度ムラの補正も必要となる.ダーク・ノイズと感度ムラの補正をする作業を一次処理と呼ぶ.
- ダーク・フレームの合成
- シャッターを閉じた状態で撮像したフレームをダーク・フレームと呼ぶ.補正しようとしているフレームを撮像したのと同じ条件(CCD冷却温度,露出時間,etc)でダーク・フレームを多数撮像して,その中央値を取ることで1枚の合成ダーク・フレームを作成する(たくさんの画像を重ね合わせることでノイズの影響を小さくする).
- 合成フラット・フィールド・フレームの作成
- 明るさが均一な光を望遠鏡に入れて撮像したものをフラット・フィールド・フレームと呼ぶ.オブジェクト・フレームを撮像したのと同じ条件(CCD冷却温度,フィルター,etc)で撮像する.フラット・フィールド・フレームにもダーク・ノイズが含まれるので,フラット・フィールド・フレームを補正するためのダーク・フレームも作成する必要がある.
- フラット・フィールド・フレームについても,複数枚を重ねてひとつの合成フラット・フィールド・フレームを作る.各フラット・フィールド・フレームについて合成ダーク・フレーム(フラット・フィールド・フレームを撮像したのと同じ条件で撮像して作成したダーク・フレームから合成したもの)を引き算する.引き算したフレームの加算平均をとって1枚の合成フラット・フィールド・フレームを作成する.
- オブジェクト・フレームの補正
- 各オブジェクト・フレームから合成ダーク・フレームを引き算する(ダーク引き).
- ダーク引きをした各フレームを合成フラット・フィールド・フレームで割り算する(フラット割).
- 天体の明るさを測定することを測光という.
- マカリィの[開口測光]を使えば,背景の空の明るさ(スカイ)を取り除いた天体の明るさ(カウント値)を得ることができる.
- 理想的には,ターゲットの天体を測光して得られたカウント値を時間軸にそって並べるだけでライトカーブが得られる.しかし実際には,ただカウント値を並べただけではまともなライトカーブを得ることはできない.これは観測条件が常に変化しているためである.そういった影響を取り除くため(完全に取り除くことはできないが),ターゲット天体の明るさを同一視野内にある数個の恒星の明るさと比較する方法がよく使われる.これは相対測光と呼ばれる.測光精度をあげるためには,比較星はできるだけ明るい方がよい.比較星はひとつだけでもよいが,複数の比較星を使うと精度をあげることができる.
- 観測データには明らかにおかしなものが混ざっていることがある.宇宙線ノイズやその他のいろいろな原因によって異常は発生する.あまりにおかしなデータ(ざっくりとした目安は標準偏差で3倍以上ずれているもの)は捨てるようにする.
- ターゲットのカウント値を V,比較星のカウント値を C とすると,等級差は dm = -2.5 x log_10 (V/C) で与えられる.
授業に関連した質問などは以下にメールを送ってください.
Last Updated: 2012/10/05, Since: 2012/05/15.
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